■ ネット依存の中高生、健康と暮らしに悪影響

■ ネット依存の中高生、健康と暮らしに悪影響

【ネット依存の中高生、健康と暮らしに悪影響】

携帯電話やパソコンに没頭する「インターネット依存」の中高校生は全国で推計51万8千人に上ることが1日、厚生労働省研究班(代表・大井田隆日大教授)の調査で分かった。依存が強いほど睡眠時間が短くなることも判明。研究班は「ネット依存が健康に悪影響を与えている」と警鐘を鳴らしている。(ネット依存の中高生、国内に51万人 厚労省推計 日経電子版  2013/8/1)

▼先日、ジムで運動をしていたら青年男性がスマホにイヤホンを付けてトレーニングをしていた。その姿が余りにも異様だったので「大丈夫かな?」とついつい私も運動をしながら彼に目をやった。何が異様かというと彼は運動しながらその多くの時間を下を向いてスマホの画面を見ているのである。

ひっとしたら運動をしながらオンラインゲーム、あるいは彼女とメールをしながら返信を打っているのではあるまいか?私は他の人に比べたら野次馬根性は少ないと自負している方なので、知り合いでもない他人の行動を詮索する興味は持ち合わせていない。なので彼がメールを打っているかどうかの手の動きまで観察はしていないが、その青年の姿は私には異様に見えた。


 ▼しかしスマホ(スマートフォン)の出現で私の生活もスマートライフになったとつくづく思う。今やアメリカのテレビニュース番組やイギリスの語学ラジオ番組がスマホでいつでも聴ける時代なのだ。しかも無料で。私の学生のころはアメリカンポップスを聴こうにも田舎なのでそのラジオ番組が受信できないでいた。あの小林克也が英語が上手くなったのは彼がFEN(在日アメリカ軍向けのラジオ放送)を聴いて育ったからだ。


彼が生まれ育った広島県の福山市ではその米軍ラジオ放送が聴けたからだ。私は個人的にはブラックミュージックが好きなので往年のモータウンクラシック、フィリーソウル、そしてソウルトレインなどが今ではYou Tubeをフルスクリーンで楽しめる。ああ、何といい時代になったものだ!


▼しかしこの中高生のネット依存に関する実態調査は、厚労省が初めて全国規模で行ったという。そしてこの調査結果は、『ネット依存の中高生が51万8千人と推計した。』という社会問題を浮き彫りにしたと言える。問題なのは、『ネット依存が強く疑われる「病的な使用」と認定されたのは8.1%に上った。』というくだりだ。その病的な使用とされた中高生のうち「睡眠時間が6時間未満」と答えたのは43.0%にも上る。

▼このことは二つの側面で検討が必要だと思う。一つは中高年をターゲットに課金や業界シェアを獲得しようとする行き過ぎた商業アプリやサービス。そしてネット上で絶えず人とつながることに依存する心理的側面を検討する余地が有ると思う。スマホで絶えずfacebook、Twitter、LINEのアプリを立ち上げておかないと友達からの投稿やメッセージ即対応が出来ない。そうでないと友人との会話についていけない。あるいは友人関係に亀裂が入るかもしれないという不安があるのだろうか?私は寝るときは必ずスマホの電源をOFFにするが、ONにしたままでないと何かのときに即対応が出来ないと思う人もいるだろう。

▼今やスマホで世界のラジオ番組が無料で聴ける時代になり、かつて学生だったころのようにアメリカンポップスを聴きたくともラジオが受信できないでいた時代にはもう戻れないが、今のように自分のペースではなく、せきたてられるように何か時間に追われるように人のペースに巻き込まれ、自分のペースを乱したり、友人のメッセージに一喜一憂し、挙句の果てオンラインでは知り合いの見知らぬ同士が初めて集まってその友人を集団で暴行して殺害する事件を見ながら、何かがおかしい、そして何かを正すべきだと思います。

この調査の結論に対する対策として研究班は次のように提言しています。「ネットを使うことは若者の文化になっている。健康的な使い方ができるよう指導や教育をしていく必要がある」。

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