アーユルヴェーダ(病気ではなく病人を診る)

アーユルヴェーダはホリスティック医療(病気ではなく病人を診る)

現代医学の医者は病人を診ずに病気を診る

先日、仕事をしていたら母親から電話があり、出てみると母親ではなく町の保健師だった。「私、保健師の〇〇と申します。 〇〇さんの息子さんですね。......実は今日はお母さんが〇〇健康教室に参加されていたのですが途中で体調が悪くなり、現在休んでおられます。かかりつけ医の〇〇先生を受診したいとのことです。連絡をしましたらこれから診てあげるということでした。つきましてはこれから〇〇まで迎えに来ていただき、その足でクリニックへ連れて行っていただけないでしょうか」という内容でした。

私はすぐに支度して迎えに行き、電話してくれた 保健師の〇〇に経緯を伺い、その足で〇〇クリニックへ連れていったのでした。母親曰く、「車に酔ったような感じで吐き気がする」とのこと。これが主訴でした。保健師の〇〇さんと母親の話を併せてみるとどうやらこのような経緯が見えてきました。健康教室ではシニア向けの体操が指導され、その中に首と身体を揺らす動作があり、母親はその後しばらくして体調が悪くなったということでした。

クリニックに着くと母親は看護師の介助を受けながら少し足元がおぼつかないながらも歩いて指定された処置室の奥のベッドに横になりました。看護師の問いかけにも弱弱しくもきちんと返答をしていました。その間に血圧などのバイタルが計測されていました。血圧は通常より少し高めでした。しばらくして担当医が来て診察が始まりました。私はその横で診察を見聞きしていました。

病気を診て病人を診ない医師

病気を診て病人を診ない医療

担当医は、現在の症状を確認するため問診と腹を触診しました。そしてバイタルで血圧が通常より高めである理由をこう言いました。「血圧が高いから体調が悪いのではなく、体調が悪いので血圧が高くなっているのです。まあ、心配はないと思いますので、吐き気止めの注射と胃薬と頓服で吐き気止めを出しておきます。どうぞお大事に。」と私に告げ、その場を去りました。その間、3分以内だったと思います。

私は担当医の問診に内心、あきれてものが言えない状態でした。何故なら担当医は患者本人に現在の症状がどうして発生したのか、今日はいつもと違う何かをしたのかどうか、などなど症状の原因を特定しようという問診がまったくしませんでした。そして症状を止める注射と処方箋をしたのです。私は担当医に原因を探ろうという姿勢が全く感じられないと思いました。

もし患者が私でしたら担当医にまずその姿勢に対して納得いかないことを伝えます。そして吐き気止めの注射も胃薬も頓服も断わるでしょう。しかしその担当医は母親のかかりつけ医であるので私の主観をもとに彼に対してそのような主張をすることに躊躇し、そのまま受け入れたのです。

その医者は症状の原因を患者本人から聞き出そうとせずに、原因は不明のままで、症状だけを対処する診療をしているのです。母親は翌朝、目が覚めたら体調は戻っていました。従って処方箋として出された2種類の胃薬3日分と吐き気止めの頓服5日分はすべて服用する必要がありませんでした。 まさにその医者は病人を診ずに病気を診ているのです。言い換えれば原因を診ずに症状を診ているのです。 

木を見て森を見ず(病気を診て病人を診ない)を診る)

木を見て森を見ず(病気を診て病人を診ない)

アーユルヴェーダはホリスティック医療

アーユルヴェーダ(Ayurveda)はリラックス法、エステなどの美容法だと勘違いしている人が多いかもしれませんが数千年の歴史を持つホリスティック医療です。ホリスティックとは全人格的なという意味になります。アーユルヴェーダは人を治療するときに肉体の病変、あるいは症状だけを治療すれば病気が治るとは考えていません。アーユルヴェーダにおける医療理念は治療という名のもとに身体的副作用を生じる、あるいはそれ自体が免疫力を落とす、あるいはそれによって結果的に免疫力を落とすような治療は行いません.。

アーユルヴェーダビデオクリップのコメント

私は30年以上前からアーユルヴェーダの医学理念とホリスティック医療に関心を持ち続けています。そして実際に自分の身体で 代替療法を検証するためのフィールドワークを重ねてきました。

2005年にアーリヤ・ヴィディヤ・シャラ・コッタカル(Arya Vaidya Sala Kottakkal, Ayurvedic Hospital  &  Research Centre, Delhi)において21日間のアーユルヴェーダ治療を実施し、同時に取材の許可を得て、アーユルヴェーダ紀行1を出版しました。

YouTubeにおいてもアーユルヴェーダを正しく理解してもらうための啓蒙活動を続けています。このビデオクリップは2018年11月30日現在、85,392のページビューがあり、65コメントのスレッドが公開されています。

BBC World_Arya Vaidya Sala Kottakkal_Part 4

その多くがこの病名はアーユルヴェーダ治療で治るのかどうかという質問です。多くの場合、私はそのような質問に対して次のように返答しています。

今 このページを見ている皆さんは、自分、あるいは愛する人の健康問題に対して価値のある解決方法を探しているからここにいるのだと思います。例え症状や病名が同じであったとしても生理学的にも病理学的にも誰一人として同じではありません。アーユルヴェーダは症状ではなく原因を治療する医学システムです。従ってアーユルヴェーダ治療がある症状や病名に対して有効か否かを検索することは大して意味をなしません。アーユルヴェーダのクリニックを訪れて診察を受けるか、あるいは事前にeコンサルテーションにて問診表を提出して診察を受けるかをなさってください。ちなみにアーリヤ・ヴィディヤ・シャラ・コッタカル(Arya Vaidya Sala Kottakkal)はどちらも診察費は無料です。費用は薬価と治療費のみです。

もしあなたがインドに出向いて専門病院で診察と治療を受けたいと思うならば拙書アーユルヴェーダ紀行1をご覧下さい。この本はアーリヤ・ヴィディヤ・シャラ・コッタカル(Arya Vaidya Sala Kottakkal)で治療を受けるための手引書でありルポルタージュです。これを読めばこの専門病院と研究施設がなぜアーユルヴェーダの世界最高水準であるかがおわかりいただけると思います。あなたの幸運を祈ります。

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