新時代のセルフ・ストレス・マネージメント Vol.19

新時代のセルフ・ストレス・マネージメント Vol.19

心と治癒力

今から25年前の1993年2月アメリカで Healing and the Mind が発刊されました。著者はアメリカのジャーナリストのビル・モイヤーズ(Bill Moyers)でした。本書は1994年9月に日本で「こころと治癒力」という邦題で発刊されました。そしてアメリカでは同名のテレビ番組が著者の出演によって製作され多くの人々に知られることとなりました。そして本書は異例のベストセラーとなったと聞いています。

日本では翌年の1994年にNHK教育テレビで海外ドキュメンタリー「治癒と心」と邦題で放送されました。私は当時リアルタイムで視聴し、とても興味深く見たことを覚えています。また本書「こころと治癒力」も購入しました。先日、VHSを整理していたら録画が見つかりましたので再度視聴しました。また今、手元に本書「こころと治癒力」を置いてこの文章を書いています。

Healing and the Mind by Bill Moyers

Healing and the Mind by Bill Moyers, 1993

Healing and the Mind by Bill Moyers in Japanese translated edition

こころと治癒力, ビルモイヤーズ, 1994

実は1993年、19944年という時代は心身医学、あるいは心身医療に関する研究、論文、書物が多く世の中に出てきた時代でした。それは時代のブーム、あるいはトレンドと言ってよいかもしれません。それは現代医学の医療哲学に基づいた対処療法の限界と反省だったのかもしれません。

現代医学は多くの病気の引き金となるストレスは「からだ(肉体)」と「こころ(心理)」の相互作用によるものであることは認めていますが、実際のクリニックでの臨床では3分診療と揶揄されるように患者の主訴や症状を問診するのみでその背景にある生活上のストレスなどを問診することはありません。そして患者の肉体に生じている主訴の原因を器官、組織、血液、細胞など生化学的に検査をし、化学製剤を処方することが標準療法として実施されています。

1994年当時、このような現代医学の手法は、感染症や外科療法処置には効果的ですが、反対にがん、心臓病、脳血管疾患などの生活習慣に起因している慢性病には効果を上げていないというジレンマがあったのです。

その対抗策として「からだ(肉体)」と「こころ(心理)」の相互影響のメカニズムを解明して内なる治癒力を活性化して生活習慣に起因した慢性病を克服しようとする心身医学、心身医療がトレンドになったのです。 

ライフスタイルを変える

1993年発刊のHealing and the Mind、日本語版「こころと治癒力」に登場した2人のナチュラル・メディカル・ヒーロー、あるいはメディカル・グルをご紹介します。またそこには登場はしなかったものの同年代に現在の心身医学(Mind-Body Medicine)、あるいはライフスタイル医学(Lifestyle Medicine)の基礎を築いたもう1人、計3人の偉大な変革者を紹介します。彼らが引き起こした心身医学(Mind-Body Medicine)とライフスタイル医学(Lifestyle Medicine)という医療革命は、25年後の2018年現在、医療界のみならず予防医学において大きな成果を上げています。

1993年当時、カルフォルニア大学サンフランシスコ校医学部臨床助教授、および予防医学研究所所長を兼務していたディーン・オーニッシュ(Dean Ornish, M.D.)は冠動脈疾患をライフスタイルを変えることによって薬や手術を利用せずに回復できる発表しました。

25年後の2018年、ディーン・オーニッシュ(Dean Ornish, M.D.)はカルフォルニア大学サンフランシスコ校医学部臨床教授、およびライフスタイル医学(Ornish Lifestyle Medicine)というナチュラル医療モデルを構築しています。

Dean Ornish, M.D

Dean Ornish, M.D

ディーン・オーニッシュのライフスタイル医学プログラムは生活習慣の重要な4つの領域(要素)を最適化することで心臓疾患を回復させる初めての科学的根拠に基づいたプログラムです。これは心疾患の症状を治療する対処療法ではなく、その症状の原因を治療する根本療法として科学的に証明されています。生活習慣の重要な4つの領域(要素)を最適化は生活習慣の変革を起こします。

Dr. Ornish’s Program for Reversing Heart Disease is the first program scientifically proven to “undo” (reverse) heart disease by optimizing four important areas of your life. This program has been proven to undo heart disease by dealing with the root causes and not just its effects. The combined effect of all four lifestyle elements makes the transformative difference.

Ornish Lifestyle Medicine

Ornish Lifestyle Medicine by Dean Ornish, M.D

Ornish Lifestyle Medicine by Dean Ornish, M.D

ストレスを和らげる

1993年当時、マサチューセッツ大学医療センター・ストレス緩和クリニックを創設者したジョン・カバット・ジン(Jon Kabat-Zinn, Ph,D.)は伝統的な瞑想法を初めてストレス緩和医療に瞑想療法として発表しました。特に慢性的な痛みやストレス症状に苦しむ患者に福音をもたらしました。

25年後の2018年、ジョン・カバット・ジン(Jon Kabat-Zinn, Ph,D.)はマサチューセッツ大学のマインフルネス医療センターの創設者であり所長を務めています。25年以上の瞑想やヨーガの科学的検証と臨床経験をもとにマインドフルネス(Mindfullness)というモデルを構築しました。

Jon Kabat-Zinn, Ph,D.

Jon Kabat-Zinn, Ph,D.

これは瞑想法の宗教的な部分を除き、マインド(心理作用)をフルネス(集中)することで、自分の身に今起きていることに意識を集中させることで「からだ(肉体)と「こころ(心理)」のバランス、あるいは統一をすることで心身を調和させ内なる治癒力の促進のみならず、本来的な幸福感や満足感の促進させるライフスタイル医学というナチュラル医療モデルを構築しています。

マインドフルネス・ストレス緩和療法 (MBSR) の創始者であるジョン・カバット・ジン(Jon Kabat-Zinn, Ph,D.)によれば、マインドフルネスとは、今あるがままの状態を、心の注意を向け、何も判断することなく、瞬間から瞬間の体験することです。

Jon Kabat-Zinn, the founder of Mindfulness-Based Stress Reduction (MBSR) said that mindfulness is, "paying attention on purpose, in the present moment, and nonjudgmentally, to the unfolding of experience moment to moment.

Center for Mindfulness in Medicine

心臓は心と体の状態を映し出す鏡

1991年、ドク・チルドレ(Doc Childre)はハートマス研究所(Institute of HeartMath)を設立しました。現在、ハートマス研究所は心身医学における研究と技術で世界をリードする法人となりました。特筆すべきはその先見性と技術革新と言えます。

心臓は血液を全身に循環させているポンプ機能だけでなく、心と体の状態、例えばストレスをリアルタイムで映し出しており、自律神経を介して呼吸と脳とシンクロ(同期)している臓器であることを科学的に証明しました。つまり心の状態は心臓が表現していることを突き止めたのです。

Doc Childre, founder of HeartMath Inc

Doc Childre

この科学的根拠を元に心臓の動きを電気的にモニターする技術とデバイスを開発し、ハートマス・レジリアンス・プログラムを開発しました。あれから27年後の2018年ではiPhoneやAndroidのスマートフォンに無料アプリを起動し、BlueTooth対応のイヤーパッドを耳に装着し、スイッチONにすれば日々その瞬間の身体のストレス状態をリアルタイムに表示し、いつでも、どこでも、確実にストレスマネージメントが可能になりました。

この方法は2018年現在、世界100の国で、500万人以上に実践され、25,000以上の医療・健康のプロ、そしてハートマス認定コーチによってストレスマネージメント、心身をバランスさせる方法、そして健康維持、健康回復の方法として推薦、そして指導されています。

HeartMath Inc

シンプルメソッドとその効果

私はこの方法で、毎日10分間、呼吸を整え、心臓に意識を向け、ポジティブ(肯定的な)、あるいは心地よい感覚を思い出しながら、セルフ・ストレスマネージメントを10年ほど継続しています。そして私自身がこのプログラムを指導するハートマス認定コーチです。

ハートマス研究所のセルフ・ストレス・マネージメントはシンプルかつ効果的です。その効果を体験するには認定コーチにご相談下さい。そして後は継続です。

1日10分の3シンプル・ステップ

呼吸のリズムを整える

心臓に意識を向ける

ポジティブな感情を伴った経験を呼び覚ます

3シンプル・ステップの即効果

毎日、数分間、この心身一貫性(HRVコヒーレンス)の練習を行うことで、以下のようなストレスによる否定的な影響が軽減される、あるいは予防できることが科学的に明らかになっています。

圧倒感

慢性疲労

睡眠障害

不安

燃え尽き症候群

Kaz Masuda, Founding director, VedicRemedy, JAPAN

私はこのセルフ・ストレス・マネージメントを自分を変革し、人生を変革するために脳トレとセットでルーティン化しています。そして2015年にハートマス研究所よりこのメソッドを教育・指導するためのライセンスを取得しました。

Check it out with the Coach Directory
Check it out with the Coach Directory

Comments are closed.