■ 日本女性維新【日本再生のシナリオと女性の社会進出、復帰を阻む問題点】

日本女性維新【日本再生のシナリオと女性の社会進出、復帰を阻む問題点】

【日本再生のシナリオ】
▼ 先日、IMF 国際通貨基金の年次総会が日本で開催されましたが、同時にIMFのアジア太平洋部会の活動報告書(IMF Working Paper)が発表されました。そのタイトルはCan Woman Save Japan? 『女性が日本の危機を救うのか』というものでした。これはIMFが日本に向けて「日本再生のシナリオ」を提言した報告書と言えます。
▼ 報告書には女性が社会進出している国では国の債務残高が低い傾向にあり、また働く女性が増えると経済が好転することが証明されていると記述されています。例えば先進国の仲間入りをしているG9において女性の管理職が最も少ないのが日本と韓国です。韓国は今国を挙げてこの問題に取り組んでいます。
 ▼ 日本の女性の仕事としての社会進出は寿退社、つまり結婚と出産を機に仕事を辞め、子育てがひと段落してまた仕事としての社会復帰をする、いわゆるM字カーブが特徴なのです。一度仕事(キャリア)を辞めると同じ職場や仕事に復帰が大変難しいのも事実です。このような問題点をまとめると次のようになります。


 日本の女性の社会進出、復帰を阻む問題点

1. 結婚や出産を機に退社すると再就職が難しい。再就職が非正規雇用(パートタイム)などに限定され収入が不安定になる。
2. 男性(夫)の育児・家事参加、あるいは支援・協力がなかなか得られない。
3. 企業の多くで男性の長時間労働、残業が常態化している。
4. 企業の多くが男性が家庭、地域、育児などの活動を支援する意識と体制が低い。
5. 保育サービスの量と質の不足と不備。認可保育所のほとんどが入所条件で非正規雇用(パートタイム)などを除外している。実情を反映していない公的サービスが待機児童を増やし、女性の労働力を阻害している。
【オランダの成功事例(オランダの奇跡)】
▼ かつてオランダは先進国の中で日本とともに女性の社会進出が低い国で、しかも国の借金、債務残高が高い国でした。しかし国を上げて女性労働改善に取り組み今やオランダの奇跡と呼ばれる経済復興を成し遂げた。何と女性の管理職が全体の40%となり、しかもその70%が非正規雇用者、つまりパートタイムというから驚く。ちなみに日本の女性管理職は10%ほど。
オランダは非正規雇用者の問題を解決することが経済再生を実現するという信念のもとに改革を行ったという。その基本精神が『同一労働、同一賃金』である。つまり同じ内容で同じ時間を働く者に身分や賃金の格差を撤廃するというもの。こうしてパートタイムの地位向上によって豊かな国へ変革を遂げた。
さて日本はどうする?もうまったなしだ!

Can Woman Save Japan? IMF Working Paper

IMFの報告書はこちらからダウンロードできます。ぜひお読み下さい。

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