■ 旅は最高のリハビリ

【元気だが不自由な友人と再会】
年寄り笑うないく道だ。子供笑うな来た道だ。」
なんとも的を得て味わい深い言葉だ。人は誰でも年を取る。そしていつかは誰かの介助を必要とするときが来る。久しぶりに出会った人が以前とは別人のような容姿になっていたりする。また突然旧友からメールがあり、状態が落ち着いたのでと入院している知らせをもらったりする。
先日、ある友人から突然電話をもらった。お互い共通の友人がはるばる京都から仕事で来ているので一緒に食事をする誘いだった。実はその二人の友人はどちらも病気をして入院していた。
二人に出会って開口一番に言った。「元気そうじゃないか」
すると一人が、「元気は元気だが、不自由なだけさ。」
顔を見合わせて苦笑いをした。
これまたなんとも的を得て味わい深い言葉だ。


【介護を必要とする人も元気だが不自由なだけだ】
SPIという介護者専門の旅行会社がある。1991年創業の従業員10名ばかりの小さな会社だ。しかしやっていることは社会を変える大きな可能性を秘めている。
創業者の篠塚氏は当時ある大手旅行代理店の添乗員。旅先でお客さんの言ったある一言が彼の起業家魂に火をつけた。
客「私も年を取ったら旅行ができなくなるのかな?」
篠塚「え?年をとっても旅行はできるでしょう。」
客「でも、このバッグが自分でも持てなくなったらもう旅はできません。」
篠塚「そのときは私が持ってあげますよ。」
ある統計では人は75歳ごろから旅行に出かける回数が極端に減ると言う。その理由は病気による身体機能の衰えや不自由による。外出する機会がめっきり減ってしまい、旅行などもう無理だということになるらしい。
考えてみれば、介護を必要とする人が身体は元気なのに機能的に不自由であるという理由で外出や旅行をあきらめることもおかしい現実である。そんなニーズに応えているのが介護者専門の旅行会社SPIである。
【旅は最高のリハビリ】
SPIでは要介護認定最高レベルの80歳以上の人でも家族と一緒に旅行を可能にしている。介護もできる添乗員付きで一緒に旅行し、食事、入浴、睡眠、起床に至るまですべて介助している。こうして家族は出発から帰宅までまるで介護を必要としなかった時代と同じように一緒に旅ができるのである。本人もまた家族に気兼ねすることなく旅を楽しむことができる。
このような旅を体験した本人は次はあそこへ行きたい、ここにも行きたいと次の旅行を楽しみに生活するようになり大きな心的変化ができると言う。また家族にも大きな変化があるという。介護によって悪くなった家族内での人間関係が改善されると言う。まさに旅は最高のリハビリなり。

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