その慢性腰痛は慢性ストレスによる脳の誤作動の可能性が

その慢性腰痛は慢性ストレスによる脳の誤作動かもしれません

ある中年男の慢性腰痛の苦悩 

今や日本で慢性腰痛(3か月以上継続して症状が出る)に悩む人は2800万人と言われますが、その多くが検査しても腰椎に病理的な所見が見られない患者だそうです。最新の研究で、その「慢性腰痛」の詳細なメカニズムが明らかになり、原因が「脳」にあることが分かってきました。

長年の友人から4月に転職したと連絡がありました。その仕事はとある公共施設の夜間警備の宿直だそうです。あれから2か月が経とうとしていますが、友人はこの2か月の間、環境を体調の変化とともに定期的にメールをくれました。

実はその友人は慢性腰痛なのですが、転職以来その持病が悪化したというのです。彼はこの2か月間、それまでの生活の大きな環境の変化、それに伴うストレスと体調の変化と心境の変化による苦悩を私に伝えてきました。その都度、私も返答をしていました。彼の事例は慢性腰痛の原因が脳にあるという研究成果を裏付けるものです。今日は実際の往復書簡の抜粋を紹介しながら心的ストレスが慢性腰痛を悪化させるプロセスをご紹介いたします。

その慢性腰痛は慢性ストレスによる脳の誤作動かもしれません

ある中年男同士の往復書簡 

生活環境の変化によるとストレス度の増加

日付>送信者>内容

2018/4/1>友人>明日から新しい職場で研修が初まります。 ナイトシフト(宿直)の任務です。

2018/4/22>友人>昨日午前に、ふた晩続きの深夜勤務研修が終わり、昨日は午後から、ひたすら爆睡しておりました(笑)。 研修中に早速不審者が現れました。 明日の夜が遂に、最後の深夜研修でです。その後は独り立ちして全ての事象に、独りで対処しなければ為りません。 リポビタンのDを飲みながら踏ん張って、感覚が慣れて来りゃ、何とか大丈夫です(笑)。

2018/4/22>友人>極端な寝不足がひと月以上も続いて、遂に疲労性の腰痛に陥(おちい)ってしまいました(涙)。最新の24時間湿布を張り続けて、左腰はかなりましになりました。右サイドの深部に、時折り鈍~い重~い痛みが走ります。 それにナイトシフトの無茶振りワンマンオペレーションにも、ようやく慣れて来ましたし、徐々に快復&熟睡に向かうと思われます(笑)。  それにしてもどこにもネガティブ系やパワハラ系の大先生が居てますね。

2018/5/26>私>まずは腰痛の原因について申し上げます。睡眠の質と量ともに低下していることが最大の原因でしょう。今までの経験でお分かりだとは思いますが、何気ない物音や気にかかる案件で目が覚めてしばらく眠れないだけで、朝起きた時の腰の筋肉の硬直していることを。些細な原因で睡眠の質が低下するだけでそれほど腰をはじめ筋肉は硬直するのです。一番硬直する筋肉は普段から問題のある箇所となります。つまり睡眠の質の低下は持病の悪化なのです。

2018/6/4>友人>先日は睡眠の量と質の低下に関する、貴重なアドバイスを有り難うございました。腰の左サイドが回復したと思いきや、今度は右サイドが時折りしくしく痛みます。左サイドをかばっていた影響が、右サイドに出たのでしょうか(涙)。それでも痛みは二六時中ではないので、湿布を貼って騙し騙し進んでおります。

2018/6/7>友人>深夜・早朝とバイクで長く巡回します。寝不足が続くと体が冷えるので気温の高い日にもウインドブレーカーを着込んでいます。すると「新人は入れ墨を隠している」みたいな、あまりにも馬鹿馬鹿しい噂話しを立てられて、風評被害は凄まじいものが有ります(苦笑2)。

そこで質問です。「病は気から」と申しますが、ネガティブ(マイナス思考)系の腰痛や、脳疲労(自問自答)系の腰痛が存在しますか?" 存在するんなら、内外のネガティブキャンペーンと、徹底的に戦う決意を固めないといけませんが…。変則的なナイトシフトに慣れても慣れても、腰痛が残るのは案外ハードワークそのものより、心的要因の方が強いのではないかと…!!

2018/6/7>私>それではお答えします。 最新の研究では多くの慢性腰痛の原因は腰椎や器質的原因ではないといっています。 ではその真の原因は何か?その最有力説は「脳」だろうと言っています。これを言い換えると、「脳」とは「思考」「気分」「ストレス」「心理作用」「疲労」と置き換えることができます。つまり、慢性腰痛の内、腰痛に器質的原因が見られない腰痛の原因の多くは脳が誤作動を起こして腰が痛いと感じているということになります。以下の取材記事をご参照願います。

私は今回の取材を通じてわかったことは、人が痛みを感じるメカニズムの複雑さです。痛みはたんに腰の異常だけではなく、その人の持つ痛みへの「恐怖」の感情や生活環境など様々な要素が関係しているものであり、画像検査だけではその本当の姿を推し量ることは出来ない、ということでした。慢性腰痛の多くは「正しい知識の不足などによる無用な恐怖」が生み出している“幻の痛み”であることが科学的に分かってきました。腰痛・治療革命 ~見えてきた痛みのメカニズム~

その慢性腰痛は慢性ストレスによる脳の誤作動かもしれません

心的ストレスは脳の誤作動を引き起こす

私はストレスから腰痛が生じる仕組みは次のように考えます。度重なるストレスを受けてネガティブ(マイナス)思考、あるいは気分(ムード)のため脳の慢性疲労が生じ、自律神経の緊張状態のスイッチがONになり、次第に神経系の命令系統に誤作動が生じ、身体の問題を抱えている部位、あるいは持病がある部位に、痛みや筋肉硬直(こわばり)が症状となって現れるというメカニズムだと考えています。

ストレスをボクシングに例えるとよりイメージがわくと思います。大きなストレスはストレートパンチです。急所に入れば即ノックアウトです。小さなストレスはジャブです。繰り返し打ち込まれることで次第に効いてきてある閾値を超えると突然ノックアウトといった具合です。

彼の慢性腰痛はまず持病という下地があって日常のケアで何とか落ち着いていたものが、ある日を境に大きな生活環境と人間関係の変化がありそれに伴う心身のストレスを受けました。そしてストレス反応が生じ、自律神経、ホルモン系、免疫系がアンバランスとなり、脳の誤作動が起こり、弱点である腰痛が悪化したのではないかと思います。正にこれは慢性腰痛の多くの原因が脳にあるという研究成果を一致しています。 

トレスの原因で最も複雑かつ深刻で解決が難しいのが人間関係によるものです。それはストレスを受けている環境を変えないままでストレスだけを対処しなければならないという難しさです。慢性腰痛の、あるいは痛み全般を抱えている人で、検査しても器質的な原因がよくわからない場合、あるいは治療しても一向に改善しない場合はまず最初に慢性ストレスを探り、それを対処することが最善の治療となるかもしれません。

その慢性腰痛は慢性ストレスによる脳の誤作動かもしれません

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