自己防衛からサイレントキラーに変身したストレス反応

自己防衛からサイレントキラーに変身したストレス反応

ストレス反応は外敵から身を守る防御システムだった

太古のヒトは森の外で動物を狩猟して生活をしていました。森に入らなければ食料となる動物が捕獲できません。でも同時に森に入ることはヒトを食料とする大型動物に捕獲される危険と常に隣り合わせです。

外敵によって危険を感じる(ストレス)と無意識に反射的に身体にストレス反応が起こることはよく知られています。それを代表する言葉が、Fight or Flight 、つまり戦うか逃げるかです。どちらかを選択しても生命の危機から身を護る(セルフディフェンス)ことができるように反射的に身体は心拍数を増し、血管を収縮し、血圧を上昇し、呼吸数を増え、筋肉を緊張させます。

もし外敵と戦うことを選択した場合、心拍数を上げて戦闘モードに入り、たとえ怪我をしても失血死しないために血管を収縮させます。あるいは外敵から逃げることを選択した場合も、心拍数を上げて逃走モードに入り、早く走るために筋肉を収縮させます。このように戦うか逃げるかのどちらを選択しても生命の危険から身を護ることを可能にするための自然に備わった防御反応がストレス反応なのです。

森で食料を捕獲するまでは耐え命の危険があるためストレス状態ですが、食料を捕獲して無事に森から家に戻れば次の狩猟まではリラックス状態です。安全な場所で空腹を満たし十分な睡眠をとってリラックス状態だったに違いありません。 このようにストレス反応は外敵から身を守る防御システムでした

ストレス反応は内部から身を滅ぼすサイレントキラーになった

現代人の私たちも太古の昔に存在していたヒトの子孫ですからそのDNAを引き継いでいます。現代人もストレスを受けると戦うか逃げるのどちらかを選択しても自己防衛を可能とする同様のストレス反応が身体に起こります。しかし太古のヒトと現代人には大きな違いがあるのです。

現代人は会社に出勤してサラリーをもらって生活をしています。会社に出勤しなければサラリーという生活の糧を得ることができません。でも同時に会社に出勤するということは仕事の成果を求める会社という大きな組織から有言無言の圧力を直接心身に受ける危険と常に隣り合わせです。会社では絶えず成果を出すことを求められストレス状態です。

しかし会社から家に戻っても次の会社出勤までわずかな時間しかありません。その間に風呂に入り、空腹を満たし、酒を飲んで気分を変え、妻(夫)と子供と学校の問題の話し合いが口論となり、とてもリラックスとは言えない状態で十分とは言えない睡眠をとるのです。

このようにストレス反応は外敵から身を守る防御システムではなくなりサイレントキラーとなりました。仕事をしていなくとも、自宅に戻っても、ストレス状態が続くのです。それはまるでストレスという真綿に絶えず首を絞められるように、慢性ストレス反応が免疫を抑制し、ガン、心筋梗塞、脳卒中など心身を蝕んでいきます。

ストレス対策はもはや避けては通れない

国は労働安全衛生法という法律を改正し、 2015年12月より労働者が50人以上の事業者に対して動労者全員に年に1回のストレスチェックを義務化しました。その目的はいわゆるメンタルヘルスのプライマリーケア(一時的予防措置)を実施することです。労働者のストレス度を計測し、それを事業者と共有し、必要に応じて産業医のカウンセリングを受け、うつなどのメンタルヘルスの不調を未然に防ごうとするものです。言ってみれば健康診断(健診)のメンタル(精神)版と言っていいと思います。

事業者にとって労働者のメンタルヘルスの不調、別の言い方をすれば精神的な不調や疾患を持った従業員を雇用することは組織にとって大きな労力と費用の損失となるからです。実際にあなたの会社や組織でもメンタル(精神不調)を患って治療を受けている人、あるいは短期、長期の休職をしている人がいるはずです。

2015年12月以降、ストレスチェック義務化に伴って多くの新興企業が代理事業に参入しています。中には全く知見も経験もない畑違いの企業がビジネスチャンスとして参入していると思われます。自社で専門部署を設けてストレスチェックを労働者に実施できる企業は限られ、対象のほとんどの企業が第三者の専業者に委託して実施していると思われます。国のストレスチェック義務化はチェック(確認)の実施と報告が主ですので、その中身であるストレス対策の実際、例えば個人が抱えるストレス対処法などは代理店事業者が担当しています。

労働者が50人以下の中小企業は対象外です。そこで働くあなたは職場のストレスを自分で対策しなければならないことを意味しています。

玉石混交のストレス対策が実施されている

ではストレス対処法として何をしているのかという疑問がでます。例えば厚生労働省は労働者個人向けストレス対策(セルフケア)のマニュアルマニュアル(実践編)において科学的根拠にもとづき教育効果の確認された内容を職場のメンタルヘルスの専門家,もしくは事業場内の産業保健スタッフが実施するとあります。それらは認知行動的アプローチ,リラクセーション(漸進的筋弛緩法),ないし両者を組み合わせたアプローチを行うことが推奨される。とあります。

例えば認知行動的アプローチ(認知行動療法)リラクセーション(漸進的筋弛緩法) は心理療法として1920年以降、改良を重ね現在まで臨床に用いられてきました。また1970年代以降、西洋医学の代替・補完医療ムーブメントによって身体と心理を分けない心身医学の名のもとにヨーガの呼吸法や瞑想法の科学的検証と同時に臨床研究が発展してきました。

その結果、 瞑想は多くの分派と名称に変身してしまいました。しかし瞑想と近代的科学が遭遇することによって科学的根拠に基づく教育的な効果が確認されました。そして瞑想が臨床に応用されるようになりました。例えば認知行動的アプローチ(認知行動療法)やリラクセーション(漸進的筋弛緩法) はその一つです。それ以外にストレス対策として皆さんの推薦できる科学的根拠の認められた応用瞑想法は以下のとおりです。どうぞご参考になさって下さい。

科学的根拠のある新時代のストレス対処法リスト

超越瞑想法(Trancendental Meditation)

マインドフルネス瞑想(Mindfullness Meditation)

ハートマスプログラム(HeratMath Program)

Comments are closed.