Mission 12: Amaの逆襲


スネーパパーナ侵入作戦は順調に滑り出したように見えた。しかしオペレーション2日目には様相が変化してきた。奴らの逆襲が始まったのである。

サントーシュ警部が同僚のジュニア警部補を連れてきた。
「ソロさん、ご機嫌いかがですか?こちらは警部補のLakshmiさんです。」

ラクシュミは、「ソロさん、始めまして。ラクシュミです。サントーシュ警部よりオペレーションの経過は聞いております。これから私も作戦に参加させていただきますのでよろしくお願いいたします。」

サントーシュは、「ところでソロさん、Snehapanaオペレーションの経過はいかがですか?」

「痒みに悩まされています。特に背中からでん部にかけての背面部がひどいようです。これで眠りも阻害されています。」

サントーシュは、「ソロさん。これは奴らの逆襲なのです。言い変えれば奴らの最後の抵抗なのです。従ってSnehapanaオペレーションが上手く機能している証拠でもあります。このオペレーションでは奴ら街を廻っているあらゆるSrotasに追い込みます。多くの場合は地下下水道に追い込み、一気に海へと流し出します。しかし奴らの一部は地上のSrotasにも逃げ場を探して潜伏しようとします。そこは本来奴らが潜伏していない場所なので一種の拒否反応、あるいはアレルギー反応が生じます。この調子だと当初予定している5日間のオペレーションで奴らを掃討できると信じています。ソロさん、大丈夫ですので、もうしばらくの間よろしくご協力をお願いいたします。」

To be continued

Mission 11: Snehapanam潜入作戦


翌朝7時前、すでに私は準備を整えていた。下の苔を取り、歯を磨き、顔を洗って待っていた。午前7時ぴったりに任務に当たる男がドアをノックした。

「ソロさん、はじめまして。この任務に当たるJayaprasadと申します。どうぞよろしくお願いいたします。

ジャヤプラサッドの最初の印象は、まったく表情を変えない男で、他の連中とは少し気配が違っていた。私は、こいつもきっと百戦錬磨の奴なんだろう、しかしこんな奴こそこの潜入作戦にはうってつけの男だとう推測した。

ジャヤプラサッドがこのオペレーションに用意した液体はこれだ。

ジャヤプラサッドは、「ソロさん、歯磨きは済ませましたか?排尿は済ませましたか?」
この男、ちゃんと肝腎なポイントは押さえているぞ。信頼できる男だな。

「それで結構です。それでは早速始めましょうか。ご存知だとは思いますがこれがKayana Geeです。まずこれを手にとって下さい。そしてゆっくりでいいですから飲み干して下さい。」

私は手にとって、まず匂いをかいだ。別に問題はない。そして一口入れると、苦い。少し顔が歪んだが、これなら飲めない味ではない。そして少しずつゆっくりと飲み干した。

そこに別の男が現れた。男は手にジャージャーポットを持っている。

ジャヤプラサッドは、「ソロさん、喉が渇いたらこの水を飲んで下さい。生姜湯です。これも役に立ちますので。」

ジャーポットを持った男は、「ソロさん、Anilと言った。」

To be continued

What is Snehapana?


スネーハパーナとは油剤飲用法のことである。通常は、Medicated Gee、つまり精製バターのギーと数種類の薬草を煮込んで作った液体を飲むことである。これは体内で悪化しているアーマ(毒素)を伴ったピッタを沈静化させて、排泄通路(スロータス)に導く方法である。そしてアーマ(毒素)を伴ったピッタは便とともに排泄されるのである。

アーユルヴェーダの治療原則は、開祖とも言われる聖医ダンワンタリが著した最古の医学書チャラカ・サンヒーターに記述している。それはこうである。

『汚れた布は綺麗に染まらない。布を綺麗に染めるには一度汚れを落としてからでないと染まらない』。

コーヒーの染みの付いた白いハンカチを草木染しようとするときにまったく同じことが言える。最初に洗濯して汚れを落としてからでないと綺麗には染まらないのである。

人間の身体煮に置き換えて言えば、この汚れこそアーマ(毒素)なのである。そして染めるという作業こそが治療なのである。しかし身体は洗濯機で洗濯することはできないし、毒素を絞りだすこともできない。

そこでアーユルヴェーダの聖医たちはアーマ(毒素)を落として、その人の最高の状態に戻す治療方法を考え出しのだ。考えたというよりは、むしろ、ある種の啓示によってその秘儀を得たのではないかと個人的には思っている。

これこそがアーユルヴェーダの治療原則であり、これ以外はアーユルヴェーダではないのである。

Mission 10: Boss Shrikumar警部の登場


サントーシュがある男を連れ立ってやってきた。

ソロさん、「私のボスを紹介します。捜査部長のShrikumar警部です。」

シュリクマールは、「ソロさん、始めまして。もっと早くお目にかかる予定でしたが、急用ができたりして面会が遅くなりましたことお詫びいたします。サントーシュ警部からミッションの進捗状況の報告を受けておりました。ソロさんにはこの2日間2名の部下とともに掃討作戦に参加していただきましたが、お疲れになられたのではないでしょうか?」

私は、「シュリクマールさん、シュリクマール警部をはじめ、掃討作戦を指揮してくれた2名の部下は優秀ですね。彼らのオペレーションは完璧でしたよ。」

シュリクマールは、「そうですか。それは良かったです。それでは彼らのオペレーションの結果を拝見させてもらうとします。その前に私なりに再度Profilingを行いますのでいくつかご質問をさせていただきます。サントーシュ警部と同じ質問なるかもしれませんが、どうぞご協力下さい。」

シュリクマールは、そう言って、再度、私の口から主訴とその他の症状について質問を始めた。そして特に首を悩ましている問題に関してはその経過を詳しく求めた。彼は続いて、脈診をして、頚椎の辺りを触診した。
シュリクマールは、サントーシュと何やら話をしていたが、私のほうを向いてこう言った。

「ソロさん、明日より5日間 Snehapana潜入作戦を開始します。これはPitta 掃討作戦です。奴らのアジトにKayana Geeを潜入させます。奴らのアジトを一掃するためのベストなオペレーションです。その作戦はこうです。」

毎日早朝決まった時間にMaha Kalyanakam Ghruthamを口から潜入させます。最初は25ml、様子を注視しながら50mlずつ増やしていき、最終日は225mlとなるでしょう。ご存知かも知れませんが、これはMedicated Geeです。このオペレーションによって奴らをアジトを放棄させて肛門から投降させることになるでしょう。

ソロさん、3日目くらいから吐き気を催すかも知れませんが大丈夫です。そのときにはDhanwantharam Grikaというピルを用意していますので飲んで下さい。また食事はお腹がすいたときにのみご用意させていただきます。米のおかゆになります。少しきつい作戦になるかもしれませんがどうかご協力のほどよろしくお願いいたします。明日午前7時に開始です。その任務に当たる男を送ります。それではまた。

To be continued

What is Sirodhara?


アーユルヴェーダの知識がある人にはよく知られた薬草油の利用法ではないだろうか。体温程度に温めた薬用油を20センチ程度の上部から額に垂らす方法である。薬草油はその人の体質と症状によって医師が処方する。

ある研究ではこのシローダーラ中の脳波と瞑想中の脳波が類似しており、アルファー波の増加と左右脳波の同期が増すことが確かめられている。その結果、かなり深いリラックス状態が得られるために脳神経、視神経、自律神経系などの改善に効果があるとされている。

Mission 9: Sirodhara投下作戦


同日午後15時にシローダーラ投下作戦が開始された。

例のよって治療台の上に座り、ヴァサヴァンが前に立ち、手に薬草油を持ってお祈りが始まった。そしてジャヤパランが背後に立ち、一人で両肩からお尻までストロークを始めた。彼の手はとても大きく温かいのですぐに全身が温かくなった。

「ソロさん、それでは仰向けになって下さい。」とジャヤパランが言った。そして細いひものような布を頭に巻いて縛った。

頭の上には銅製の容器がぶら下がっていた。ジャヤパランは容器の下に空いた穴に通してあった布を少し微調整した。そこにヴァサヴァンが温めた薬草油を注ぐと、温かい液体が額へと投下された。

ジャヤパランはこの容器を左右へとリズミカルに揺らすと、それに併せてその温かい液体は額の左から右へ、右から左へとリズミカルに額へ落ちていく。これはまさに温かい液体による頭部のマッサージなのだ。
ときどき意識がもうろうとなって、寝ているのか目覚めているのか分からなくなる。時間の感覚も分からなくなる。何より頭が真っ白になるというか、気がついたら雑事から思考が開放されている。まさに瞑想状態なのだ。

どれくらいたっただろうか。隣のバスルームでする物音で意識がはっきりしてきた。そしてそこで液体投下が止まった。彼らに支えられて身体を起こし、横目で時計を見たら早1時間になろうとしていた。こうしてシローダーラ投下作戦が終わった。

To be continued

Mission 8: Aviyanga掃討作戦


ソロさん、それでは仰向けになって下さい。
すかさずヴァサヴァンが私の左に、ジャヤパランが右へフォーメーションを変えた。
そして彼らの大きな暖かい手が私の左右の腕に置かれたと思うと、一気にストロークが始まった。腕から胸、そして下腹部まで1,2、1,2というリズムでアヴィヤンガが開始された。

彼らの息はぴったりと合い、マッサージのストロークはいっし乱れぬ完璧な技だった。これが彼らの長年培われた技か?しかし彼らの手は大きい、そして熱いほどに熱を持っている。

まずはウダーナシティからアパーナシティまですばやくストロークする。10分以上の攻撃をかける。続いてアパーナシティからヴァヤーナシティに攻撃を移す。なんというリズミカルな攻撃なのだろう。しかも力強い。時々、胸が押しつぶされるのではないかと思うくらい力強かった。

そして両手を頭の先に伸ばし、手のひらから足の甲までの長さをワンストロークで行うマッサージが圧巻だった。彼らはこのロングストロークでも両足を一切動かすことなくできる。これも彼らの持ち前の体格と鍛えられた体がなせる技か?

続いてうつ伏せになってのストローク(攻撃)が行われた。仰向けと同じように一矢乱れぬ攻撃は流石だった。

ジャヤパランが相棒のヴァサヴァンに小声で言った。
「いいか。どんな小さな凝りや張りも見逃すな。さあ、仕上げのストローク(攻撃)だ。」

To be continued

What is Aviyanga?


アヴィヤンガとは薬草油(タイラ)を使ってオイルマッサージをする物理療法です。その目的は、体内に溜まっているアーマ(毒素)を組織から剥離し、閉塞したスロータス(通路)を通じるようにします。オイルマッサージによって熱を伴って筋肉組織はマッサージされます。皮下組織に溜まった老廃物質を剥離し、排泄器官へと導き、同時に発汗によってアーマは皮膚から排出されます。

アヴィヤンガによって長年蓄積したアーマ(毒素)が目覚め、出口にむけて動き始めることになります。

Mission 7: 掃討作戦開始


そこでです。ソロさん!その作戦は次の2つです。
Aviyanga(アヴィヤンガ)とSiro Darha(シローダーラ)作戦です。

当日、二人の部下をそちらに送ります。彼らはこの掃討作戦には過去何度も出動して的確に任務を全うしている経験豊富なエキスパートです。私の信頼置ける部下ですのでどうぞご安心ください。

当日10:00 定刻、10分前に二人の男がやって来た。

「ソロさん、はじめまして。自分はJayapalan(ジャヤパラン)と申します。この相当舞台の班長です。これからしばらくよろしくお願いします。」

「ソロさん、はじめまして。自分はVasavan(ヴァサヴァン)です。自分は空手の黒帯を持っています。ソロさんの身辺警護は私にお任せ下さい。どうぞよろしくお願いします。」
と言って彼らは身分証明書を差し出した。

Jayapalan(ジャヤパラン)は身長が190cm近くあるだろうか、眼光鋭く、声が少ししゃがれた大柄な男である。Vasavan(ヴァサヴァン)も身長185cm近くあろうか、空手マスターだけにその鍛えられた筋肉は服の上からでも容易に見て取れる。太くしっかりとした声であった。

ジャヤパランが、ソロさん、作戦の準備は整いました。どうぞこちらへお入り下さい。
通された部屋の中央には黒い大きなテーブルが置かれている。部屋全体には独特の薬草の臭いが立ち込めている。

私は、これから、「まな板の鯉」ならぬ、「治療台の鯉」なることを覚悟した。

ソロさん、こちらで服を脱いで、ふんどしに着替えて下さい。ふんどしに着替えると治療台の上に座るよう指示された。そしてヴァサヴァンが私の前に、ジャヤパランが背後に位置取りをして、独特な身辺警護のフォーメーションが組まれた。そしてヴァサヴァンが左手に浅い容器に入った薬草油(タイラ)を持っている。そして右手をそっと左手の下に重ね、目を閉じてお祈りが始まった。次にその薬草油(タイラ)を少し右手にとってから私の頭に刷り込んだ。

To be continued

Catch the Vata?


モンスーン・シーズンというのは身体的にヴァータを増やします。気候が著しく変わるこの季節はヴァータをピンポイントで直撃するのです。ですから身体にもヴァータの動きが手に取るように、あるいは目に見えるように現れるのだそうです。従っていつもは隠れていて、あるときには顔を出しは、また引っ込むヴァータが、この時期にはその姿を身体に現すのだそうです。

「風のように速いヴァータ・ドーシャを捕まえる」ことができるのだそうです。モンスーン・シーズンこそが病気の原因となっているドーシャを捕獲して封じ込めるのに最適の時期なのです。

Mission 6: 掃討作戦のシナリオ


ソロさん、奴らの掃討作戦はこういうシナリオです。

街の中心部から少し下がったところ、アパーナ・シティに奴らのアジトがあるはずです。その活動拠点には不正なマネーがロンダンリングされ集まっていると考えられます。きっと中央の役人などから贈収賄のパイプがあるはずです。汚れたマネーはそのパイプを通じて全国に流れ込んでいます。奴らは別の組織であるピッタにも汚れたマネーを渡し、アパーナ・シティから政府の機関の集中するプラーナ・シティの大統領ハウスであるアジュナー・チャクラにまで闇資金(病み資金)が流れていると考えられます。最初のミッションはまずこの闇資金の流れを食い止めることです。」

いかがですか?ソロさん?

よく分かりました。同意します。ではその作戦とは?

そこでです。ソロさん!その作戦は次の2つです。
Aviyanga(アヴィヤンガ)とSiro Darha(シローダーラ)作戦です。

To be continued

Mission 5: インド人プロファイラーのプロファイリングScene 2


サントーシュは、「Apana Vayuがよく機能していません。そしてPitta Amaurtaの状態です。これが細胞レベルに浸透しています。」と結論づけた。

サントーシュは、「今、ピッタが亢進しています。右のわき腹に皮膚に発疹が痒みを伴って現れています。これは奴がとても興奮している証拠です。まず奴の動きを抑えなければなりません。奴は多くのアーマを含んでいます。アーマは皮膚から出ようとしているのですが、そのときは痒みを伴います。ソロさん、奴がアーマを連れてくるのです。そしてアーマがなければ病気は起こりません。」

サントーシュは、「ヴァータは動きが早く、どんな小さな隙間でも入り込み、他の連中をあおり、色々と悪さをする本当にやっかいな奴ですからね。ソロさん、下腹部のヴァータの働きがよくありません。ピッタの活動を抑えた後に、ヴァータを捕まえるのです。奴は普段は地下組織にその姿を隠したまま、他の連中を操っている奴も年に一度、モンスーンの時期にその力に押されるように地上にその姿を現わすのです。奴はとてもユニークな特徴を持っているので必ず奴を見つけ出すことができます。ソロさん、必ず奴を捕まえましょう。」

To be contined

What is Apana vayu & Pitta Amaurta


アーユルヴェーダとヨーガの生理学

アーユルヴェーダとヨーガに共通した生理学がある。正常な身体の機能(生理)に関する学問である。アーユルヴェーダでは体質理論という項目で、またヨーガではプラーナマーヤ・コーシャ(鞘)、いわゆるプラーナ(気)の体、あるいはアストラル体という肉体の中にあって不可視(目には見えないエネルギー)の体におけるそれらの働きを明らかにした生理学において語られるものである。

アーユルヴェーダの体質理論では、身体では3つのエネルギー、あるいは生理的な機能によって体が正常に維持されているとされる。それぞれヴァータ(ヴァーユとも呼ばれる)は異化作用、ピッタは代謝作用、カパは同化作用を担っている。例えばヴァータにおける異化作用とは、食べたものを腸において栄養素と排泄物、つまり身体に必要なものと不要なものを分離する働きなのである。

そしてそれぞれ3つの機能には、5つの働きがあり、それぞれ違う場所で役割を担っている。とる。例えばヴァータは臍から肛門までの下腹部においてはアパーナ・ヴァーユ呼ばれ、小腸、大腸、肝臓、生殖器(排泄器官)において正常に消化されたものが分離・吸収・排泄するために機能している。臍から心臓までの中腹部においてはサマーナ・ヴァーユと呼ばれ、胃、十二指腸、すい臓において正常に消化するために機能している。その他、プラーナ・ヴァーユ(心臓から喉まで)、ウダーナ・ヴァーユ(喉から頭頂部まで)、ヴィヤーナ・ヴァーユ(両手脚の動き)が全身で協調して働いている。

ピッタもカパも同様に5つの働きがあり、それぞれ違う場所で役割を担っている。

Apana vayu & Pitta Amaurta

サントーシュによると、私の場合は、Apana vayu(アパーナ・ヴァーユ)の働きに不調が生じており、Pitta Amaurta(ピッタ・アマルタ)代謝機能にアーマ(毒素)が溜まっており、それらが絡み合っているためにどちらの機能も正常でない状態にあるということになる。

Mission 4: インド人プロファイラーのカウンセリング Scene 1


サントーシュは「それは確かに奇妙な話ですね。」どうやらこの症状は彼もまだ扱ったことのないケースのようだった。

私は朝が来るまでただ横たわっているだけなのです。一睡もできないまま、朝起きて普通に仕事をする。もちろん体は疲れているのでしょうが、昼間はまったく眠くはならないのです。体を疲れさせたら眠れるのではないかと思って、何度か少し強めの運動や労働を試みましたが、その夜もやはり眠ることは出来ませんでした。

この症状はたぶん強いストレスと長いコンピュータワークと関係しているのではないかと思っています。奴に付け込まれる隙を与えてしまったのだと思います。

サントーシュは私の意見に笑顔でうなづいてから、「主訴の内容はよく分かりました。その他に症状はありますか?」と聞いた。

「はい。主訴以外にその他の症状もあります。それらは次のようです。」と私は話を続けた。

サントーシュは私の症状をすべて問診してから、続いて聴診器、血圧、舌、右腕から脈診を行い、私の生データを収集した。そしてプロファイリングを行った。

ソロさん、よく聞いて下さい。これからあなたのプロファイリングを申し上げます。よろしいですか?」

私が「もちろんです」と答えた。

サントーシュは、「Apana Vayuがよく機能していません。そしてPitta Amaurtaの状態です。これが細胞レベルに浸透しています。」と結論づけた。

To be continued

The relationship between Monsoon and Ayurveda


アーユルヴェーダとモンスーン・シーズン

サントーシュによるとこのモンスーン・シーズンこそがトリートメントに最適の時期だと言います。これには人によって色々な説がありますが、どうやら有力なのは、ドーシャと関係しているようです。この季節は「ドーシャを捕まえる」のに最適な時期なのだそうです。

ご存知のようにヴァータ、ピッタ、カパというドーシャ(身体の構成要素)は正常な身体の機能を維持するために動いています。中でも最も動きが速く、増えやすく、乱れやすいドーシャがヴァータとなります。そしてヴァータが増えて動き出すと他の2つのドーシャを牽引します。つまり引っ張って乱れさせるのです。

アーユルヴェーダの医学書には病気の原因をとドーシャの関係を現代的に言い換えると次のようになります。病気の原因の70%はヴァータ、20%をピッタ、10%をカパが関係している。例えばストレスがあらゆる病気に関係していること、そしてストレスが増えると活性酸素は明らかになっています。また活性酸素は老化とも関係しており、正常な細胞を傷つけたりして、骨をもろくしたりします。

これはまさにストレスが増えると体内のヴァータの働きが亢進、つまり速くなり、増えて、乱れるのです。結論としてヴァータが増えるとあらゆる病気にかかりやすくなるのです。

Mission 3: インド人プロファイラーと面会 Scene 2


最初に私の身体的特徴からProfilingが始まった。彼は私と何気ない会話をしながら、私から決して視線をそらすことなく、カルテに書き込んでいた。

ソロ、あなたの主訴を聞かせていただけますか?主訴とは医学用語で患者を最も悩ませている症状のことである。我々、諜報部員の間では絶えず会話を盗み取られるリスクがあるために、暗号化された言葉を使って会話することが常である。つまり主訴とは、今回のMissionのターゲットである指名手配犯人、奴がどのように現れるのかを聞いているのである。

私はどのように会話を切り出そうかと少し躊躇して、こう切り出した。
「不眠です。しかもとても奇妙な症状なのです。最初にこの症状が現れたのは、確か、2007年2月でした。眠れないのです。」「目を閉じると眉間の奥にちょうどピンポン玉のようなものを感じて、それが脳神経を刺激して眠れないのです。約1~2ヶ月は続きましたか」

するとサントーシュはすかさず、「それは、なかなか寝付けないということですか?それとも眠れるけどもすぐに目が覚めるということですか?」

いいえ、全く眠りに落ちないのです、この症状を他人に説明するのに、日本語よりも英語の方が正しい表現だと感じる。日本語で「眠れない」というのはあいまいな意味になってします。人は自然に眠る、意識して眠るのではない。従って英語では”Fall a sleep”、まさに「自然に眠りに落ちない」というのが最適な表現なのである。

サントーシュは「それは確かに奇妙な話ですね。」どうやらこの症状は彼もまだ扱ったことのないケースのようだった。

To be continued

Mission 3: インド人プロファイラーと面会 Scene 1


Who is Vaidyam Santhosh

昼過ぎにサントーシュ(Santosh)と名乗る警部がやってきた。彼はヴェノジが私のために送り込んだProfilingをするエキスパートである。ProfilingとはFBIでも行われている犯人捜査のための人物鑑定手法である。

彼はアーユルヴェーダ医師であり、特にメンタルヘルスに関する症状をProfilingするエキスパートであると自己紹介した。浅黒い皮膚に、黒い髭を生やした、体格のよい男だった。

サントーシュは私の他に2名、合計3名のチームで犯人特定のProfilingを行います。私の役目はシニアVaidyam(ドクター)にデータを渡し、コンファレンスを行って、犯人捜査のための詳細な手順を組み立てます。

まずはしばらくおとり捜査を行います。その間、あなたの身柄の安全のために優秀な部下を数名つけますので、安全は十分に確保されますのでどうぞご安心下さい。同意していただけましたら、このドキュメントにサインをいただき、さっそくあなたを悩ましている犯人のProfilingを開始させていただきます。

サントーシュのインフォームド・コンセントは完璧だった。ソロは口には出さなかったが、ヴェノジは頼りになる男をよこしてくれたと感じていた。そしてサントーシュのProfilingが始まった。

To be continued

Profile of Kerala


南インドのケララ州 

南インドの西に位置する細長い州がケララです。
広大な椰子の木立と田園風景が特徴です。
家屋は赤瓦とレンガが特徴です。
緑と赤のグラデーションがケララの風景と言えます。

モンスーン・シーズン

インドでは6月にモンスーン・シーズンが始まります。南インドに上陸し、北上していきます。
その季節は雨の恵みを受ける季節でもあります。
植物は雨の恵みによって成長し、その果実はやがて動物や人間の恵みとなります。
日本では梅雨が終わると夏が来ますが、インドではモンスーン・シーズンの前に夏があり、
モンスーンが終わると冬が来ます。冬というのは一番過ごしやすい季節という意味かもしれません。

Mission 2: インド人エージェントの合流


6月10日11:00
ソロはIndia Gandhi Airport, Domestic Departure にてIndiGoという国内線の
Boarding Check inをしていた。12:55分のフライトまであっという間だった。
目的地はKochi フライトは完璧だった。17:05分定刻に到着した。

外へ出るとある男がプラカードを上げていた。”Welcome to Surya. Mr. Solo”
その車へ乗り込みソロはSurya Ayurveda Health Resortへと直行した。
目的地に着いたのはほぼ19:00。あたりはもう薄暗くなっていた。
これが今回の舞台である。

到着するとまずここのマネージャーであるKumarという名乗る男がコテージへと私を案内した。これがコテージである。

すると間もなく今回私のMedical Mystery Tourの案内役でMissionを全面的にサポートしてくれるエージェントが現れた。

Welcome to Kerala. It’s very nice to meeting you. I am Venugopal and your guide to your mission. Call me Venuji.

今回のあなたのミッションをサポートさせていただきます。ヴェノジと名乗る男は精悍な顔立ちに白いあごひげを蓄え、眼光鋭く、流暢な英語をとても早口で喋る。しかし終始、笑顔を絶やさない。知的な男であることがすぐに分かった。

長旅ご苦労様でした。今日はお疲れでしょうから、これで失礼しますが、明日、私の自宅にてちょっとしたパーティを催します。実は孫の2歳の誕生日パーティを身内だけで開催します。ぜひご招待したいのです。

これからしばらくあなたと一緒に活動する訳ですが、諜報活動はまず身内に感ずかれないことが原則ですからね, you know? と彼はウィンクした。
It’s OK! I’m happy to be your guest.

Mission 1: ドーシャを捕まえろ


アーユルヴェーダ紀行 2011 

私の名前はソロ、
私の職業は、国際諜報部員。
その所属は決して明かすことはできないが、
悪を封じるためには世界の果てまでも追いかける。
お!ボスからミッションの依頼が届いたようだ。

おはよう!ソロ君
またこうして君に会えて嬉しいよ。

さて今回の君の任務のターゲットはインドだ!
インドに潜伏している国際指名手配犯人を探し出し逮捕することにある。

しかしソロ君、今回はちょっと手ごわいぞ。
なぜなら犯人の写真がないのだ。
手がかりは奴のプロファイルだけだ。
われわれはもちろん、世界の諜報部にも奴の写真は一枚もない。

ソロ君、安心したまえ。
君に心強いエージェントを用意している。
彼と協力して何としても奴を探し出し、捕まえるのだ。

例によってこのテープは自動的に消滅する。
それでは君の検討を祈る。