■ 1人の覚悟ある人から世界は変る(1人の医師が始めた社会医療サービス)

■ 1人の覚悟ある人から世界は変る(1人の医師が始めた社会医療サービス)The determined person can chenge the world

【ギリシャ危機のその後】 

ユーロ危機の元凶となった2009年のギリシャ危機。前政権の赤字隠しが発覚し世界中の金融市場に専用不安が広がった。そして2011年EUとIMF(国際通貨基金)はギリシャに資金援助を投入することを決めた。そしてその見返りとしてギリシャに次のようなその条件を突きつけた。

年金20%の削減
公務員15万人の削減
消費税19%から23%への値上げ

これにギリシャ国民の多くは猛反発し街では暴動が起こり美しい街並みが破壊された。あれから4年今ギリシャでは主産業であった観光産業が回復しているようだ。その大半は中国人観光客らしいが、ギリシャ政府は「ギリシャは立ち直った」と宣言するが…..はたして本当なのだろうか。

先日の未来世紀ジパングの取材を見ている限り街の商店街はシャッター通り、無休の配給所には人が列を作り、多くの若者が失業したままであることを映し出していた。ギリシャは当時幸運にもEU加盟国であり、EUもギリシャの火種が各国に飛び火し、EU全体の信用不安になることを何としても回避する必要がったのだろう。

しかし考え見れば日本もギリシャと類似した危機を抱えている。

【ジャパンも危機の最中】 

数年前に国の借金が1000兆円を超えている。年金や医療費などの社会保障費は増大の一途をたどっている。その目的税として2014年4月より導入された消費税の増税。今後は年金支給開始年齢を段階的に65歳から67歳に引き上げようとしている。つまり60歳で定年を迎えてもその7年後でないと年金が支給されないようになる。今でも60歳から65歳までは「魔の5年間」と呼ばれ、この間に死亡する人も多い。つまり40年間払い続けた年金を自らが手にすることなくこの世を去るのだ。

それを更に段階的に引き上げようとしているが国はその口実として60歳定年後も元気のある人は働いてもらって社会に貢献してもらいたいと言ってのける。再雇用の機会を増やすよう働きかけるというが、そもそも社会保障である年金制度は定年と同時に支給され生活を保証するべき性質のものであるはずだ。それが時の政府によって支給年齢が65歳にまで引き上げられ、更にまた別の時の政府によって段階的に70歳まで引き上げられるのを国民は本当に黙っていていいのだろうか?
ギリシャの社会医療革命

ところでギリシャでは2009年のギリシャ危機、そして2011年のEUとIMFによる資金援助を機にある医療市民革命が起きたことを皆さんは御存知だろうか?それはある1人の医師から始まった「ソーシャル・クニック(Social Clinic)」と呼ばれる民間の社会医療サービスだった。
ギリシャ人医師のDr. Giorgos Vichasはギリシャ危機の後、多くの人々が失業、貧困の中で医療保険が払えなくなった人々が健康危機に直面していることに気づいた。時の政府も保険会社も国民に何も差し伸べなかった。EUもIFMもギリシャに突きつけた条件の中に基本的人権である医療を受ける権利等の社会保障を体制を維持する文言はなかったのだ。「木を見て森を見ず」とは正にこのことだ。
Dr. Giorgos Vichas - Founding director, Social clinic - The Metropolitan Community Clinic in Athens
Dr. Giorgos Vichas – Founding director, Social clinic
 – The Metropolitan Community Clinic in Athens

そこで医学学校の同級生や友人たちとアテネの南の小さな診療所で大きな理想を持って無料の医療サービスを始めた。それがThe Metropolitan Community Clinic in Athens。そしてこの草の根医療活動のミッションは次のようなものだ。

この医療活動のゴールは(民間の)無保険者、無職、低所得者の患者に対して第一次医療を差し伸べることにある。そして民間の医療保険者もそうでない者もすべの市民が平等に医療を受けられることのできる社会保険システムの設立を目指している。

The Metropolitan Community Clinic in Athens

2013年7月時点の情報ではこのソーシャル・クニック(Social Clinic)」と呼ばれる民間の社会医療サービスは40のクリニックにまで拡大し、9,500人の患者を診療し、特にがん患者に対する無料の化学療法の提供、さらには乳児を抱える家庭には無料のミルクを配給している。

Dr.Vichasは、「医者を志していた医者になったら世界各地をまわり医療ボランティアをしようと思っていました。」 

「もし誰かが1万ドルを寄付したいと申し出てくれたなら、私はすぐさま一枚の紙切れに必要な医薬品を書き出しそのメモを渡して、どうかこれを買って持って来て下さいを言います。これが寄付者にとって私たちが誰なのか、同時に治療を必要としている患者が誰なのかを知る方法なのですから。」

そして彼は現在、世界を飛び回ることなく自国でその夢を叶えている

「自分が何を言っても国は変わらない。1人の力では世界は何も変わらない」とよく言われますが、私は、「1人の覚悟ある人から世界は変る」と信じています。

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