■ 日本には専門医ではなく総合診療医の普及が必要だろう

総合診療医 ドクターG

【総合診療医”G”】

皆さんはご覧になっているだろうか?NHK「総合診療医ドクターG」。これは病名推理エンターテインメントという趣向で、患者の訴えを再現ドラマ化して3名の研修医と1名の医師とのカンファランス形式でその病態から真の病名を推測するというものだ。浅草キッドと2名のゲストがちゃちゃを入れながら番組をバラエティ風に味付けしている。しかしこれは紛れもなく真面目な医学的推理番組なのだ。

いやあ、5月17日付の番組を見て思ったのは、まず総合内科医の診断能力の実力だ。まるでシャロークホームズとワトソンのように物証と論理的推理によって犯人を特定するように、物理的検査を一切行うことなく物証と物証と論理的推理によって原因を特定していく。

そしてこのような医師が常勤する「総合診療科」を全国の病院に開設すべきということだ。これは必ずや日本の医師界にとって、医療行政にとって、そして何より患者にとって有効な変革となると感じた。

総合診療科とは

今回登場したのは、徳田安春医師、つくば大学付属病院、水戸地域医療教育センター、水戸共同病院の総合診療科の教授である。

Mito Kyodo General Hospital General, Mito Kyodo General Hospital
この総合診療科というのは、「臓器別専門科にとらわれずに、広くあらゆる健康問題に対処し、心のケアにも配慮して全人的な医療を提供することを目標と考えています。具体的には、診断のついていない初診患者さんを担当し、どの科の病気かわからない、問題点が複数ありどの科で対処するかわからないなどの問題に対し、各専門家と協力して対処いたします。また、将来の地域医療を担う総合医を育てる研修を行います。」と記載されている。

日本全国津々浦々医院や病院はあるが、このような「総合診療科」の普及が少ないことか。総合診療科がないとどういうことになるか?何が原因でその症状が出ているのかわからないまま、患者自身が受診する診療科を選択しなければならないということだ。あるいはその心療科のある病院を目指して出向こことになる。


【新患に専門医が診る弊害
先日、身内が大学病院に入院をして退院したが、その当日の夜に調子が悪くなり、大学病院は遠くて行けないので地域の総合病院に時間外で受診した。当直の医師は患者の訴えに応じてそれを対処すべく薬を処方し帰宅させた。その次の日もその症状はひどくなり同病院に再診した。そして同日の夜半にもその症状は収束せずまた時間外に同病院を受診した。その際は私も立ち会ったのだが、その時の当直医は脳神経内科の専門医であったが、原因を特定出来ないまま先に処方されていた薬をもう少し多く飲むよう処方し診療を終えた。

しかし私が当人が訴える症状に関する検査で異常が認められないのであれば「器質的」ではなく「機能的」障害ではないか、それならば発症した経緯に関与している普段は服用していない薬の服用による副作用がその因子として考えられるのではないか?安易に薬を処方するのはいかがなものかと話を切り出した。結果、医師は「その薬は飲んでも飲まなくてもよいです」という口調に変化したが、当人の症状の原因は特定されることなく、次第に症状は落ち着き現在に至っている。


新患はまず総合診療科で受診し、次に適切な専門科を受診させる

番組内の徳田医師のコメントに医師としての重要な基本姿勢が見て取れた。それは「まず患者さんに服用している薬を聞き、薬の飲み合わせ、さらには薬と食物との食べ合わせによる副作用の疑いを推察することが必要。

このような知見のある「総合診療医」が常勤する「総合診療科」を病院に普及することによっていわゆる診療科のたらい回し、あるいは複数受診の減少、そして無駄な検査と投薬の減少にもつながり患者が安心かつ安全に身を委ねられる医療の貢献と医療費の削減の切り札になると考えますが、皆さんはいかが思われますか? 

(文責 ヴェーダライフ 代表 増田和志)

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