■ スーパーナンキンムシが教える人間の化学物質依存への警告

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【スーパーナンキンムシの被害が増大中】
▼12月6日のクローズアップ現在で「スーパーナンキンムシの恐怖」と題した特集が放送されました。ご覧になられた方も多いと思いますが、皆さんは放送からどのようなメッセージを受け取られましたか?この番組を要約すると人の血を吸う害虫、ナンキンムシが今や市販の殺虫剤が効かなくなり一般住宅でその被害が拡大しているというお話です。 


▼このナンキンムシは体長は正式名称はトコジラミ、英語ではBed Bugといいます。体調 5 – 8mm ほどで寝室やベッドの周りに住み着き、就寝時に皮膚から吸血するという虫です。被害者は皮膚の痒みと不眠に苛まれることになります。こんな吸血昆虫が寝室に寄生している思うだけで寒気がしますね。

Bed bug 
ところでこの虫は戦後の衛生状態が悪い時には大量に発生しましたが、DDTという殺虫剤の大量散布で一度は駆除されたようです。しかし再び海外から衣類や旅行カバンに付着して日本に持ち込まれました。そして何よりも問題なのが市販の殺虫剤が効かないのです。 

【史上最強の生物との戦いが始まった】
▼その理由はナンキンムシが殺虫剤に対して死なない、つまり抵抗力を持つようなったことです。彼らは自ら遺伝子を組み替えて子孫を繁殖させているのです。なんと従来型のナンキンムシの1万2千倍の抵抗力を持ち、しかもその繁殖力たるやわずか1週間ほどで成虫になるためにスーパーナンキンムシと言われています。これはまるで人間にとって史上最強の生物との戦いが今まさに始まったようなものです。 
▼多くの皆さんは彼らは人間や家畜にとって有害な対象生物であることは明らかなのだから駆除・排除するために根こそぎ殺してしまえという考え方が大多数だと思います。その解決策として科学の粋を集めて殺虫剤の開発に挑むべきだという結論に到達するかもしれません。しかしこの方法ではいわゆる「いたちごっこ」で、何も問題は解決しないことがほぼ明らかになってきているのです。つまり強い殺虫剤が出たら、彼らはさらに強力な抵抗力を持つ遺伝子を組み変えて生存していくのです。
これはスーパーナンキンムシに限ったことではなく、ゴキブリもそうですし、また院内感染で問題となっている抗生物質への耐性菌についても同じことが言えるのです。人間が自分にとって害を及ぼす対象生物を抹殺しようとすればすれほど、彼らは人間よりも強力な生命力と適応力によってさらに強力な子孫を残して行くのです。そして皮肉なことに今まで地球上に存在しなかったスーパー・ミュータント(変性生物)という種を創りだすことになるのです。 
【スーパーナンキンムシから人間への警告】

▼同じような被害が出ているアメリカでは生物学の専門家たちが中心となって今までのような駆除のための基本方針を改め、相手の生態、つまり生物的な生活行動をよく研究してその種を抹殺駆除するのではなく、人間が被害を受けないような住み分けによる解決法を検討しています。私はこれは正しい解決方法だと思っていますし、必ずその方法で成功すると信じています。
人間の生活は20世紀後半からあまりにも多くの化学物質を作り出し、産業も生活も医療もあまりにも多くそれに依存してきました。自分にとって都合の悪いものを害虫や敵対するものとして殺虫するという考え方が今問われているのだと思います。
そして一方的に害虫というレッテルを貼らずに他の生物と住み分けながら共存しなければならないことをスーパーナンキンムシは人間に警告しているように思いますが、いかがでしょうか? 
ヴェーダライフ 代表 増田和志

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