■ 治療という名の身体の環境問題

内なる環境 Micro Body

アンドルー・ワイル(Andrew Weil)は、アメリカで伝統中国医学など代替医療の伝統も取り入れ、人間に本来備わっている自然治癒力を引き出すヘルスケア・システムである統合医療を提唱・実践している医師です。
統合医療は、その元になっている考え方として人の健康と病気は、人間は肉体と精神だけでなく、環境性、社会性との関係性に影響を受けていて、それを包括的に考慮しなければならないと考え方です。従って、西洋医学だけで治療を行うのではなく、伝統的な医学や多くの自然療法の弱点や強みを理解して、適材適所に組み合わせながら、患者をケアして行くというものです。病気だけを診るのではなく、人間を診るのです。


自然回帰への提唱
彼の臨床の中でとても重要な発見があります。それは、「自然療法の効果は、西洋薬の服用期間とに相関関係がある。服用が長い人ほど自然療法の効果が現れるのが遅い」というものです。これはつまり、「普段、あまり薬を飲まない人ほど、自然療法の効果が早く現れる。」というのものです。ここでいう自然療法というのは、漢方薬のような植物由来の自然薬の服用も含め、その他の物理療法なども含みます。
決して西洋薬を否定、あるいは敵視しているわけではありません。しかしながら西洋薬には副作用というリスクが伴います。つまり副作用とは生体の何らかの自然な生理を阻害したり、バランスが崩れる結果であるからです。薬効は、イコールよい効果ばかりではありません。生体がバランスを崩すと、生体はそれを元のバランス状態に引き戻そうとします。そこに無駄なエネルギーを使わなければなりません。
例えて言うならば、抗生物質を服用すれば、2-3日で下痢になることが多いです。それは腸内細菌の有益な菌まで殺してしまうからです。そして服用を止めてから体が元に戻るのに服用と同日数程度かかります。しかも無駄なエネルギーを使い身体を消耗させながら。
アンドルー・ワイルが発見した原則は、「人は自然の生物であり、自然由来のものを口にすべきであり、治療という名のものとに身体のバランスを崩す治療方法ではなく、バランスを崩さないで自然治癒力を上げる治療を行うべきである。」ことを示唆しています。
治療というのは「身体」という環境問題

外なる環境 Macro Body

言い換えれば、治療というのは「身体という名の内なる環境問題」です。私たちは現在、福島第一原子力発電事故によって放射能汚染、放射線被爆の現実を目の当たりにして、環境問題の重要性を再認識している当事者です。本来、環境問題というのは大きな自然という環境と小さな自然という身体を切り離して考えることは出来ません。
何故なら外なる環境と内なる環境は、皮膚一枚で区切られたひとつながりだからです。ですから外なる環境は、身体の延長であり、「大きな身体」と呼ぶことができます。これからは身体の健康増進と病気回復は内なる環境問題として自分が責任を持ち、自分なりの行動指針を持ちたいものです。

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