心身をチューニングする生活習慣

心と体の関係

2015年6月にコネクション(The Connection)というドキュメンタリー映画を紹介しました。これは心身相関医学(心と体を一つの身体として扱う医学)の世界的専門家の話しと病気を治癒した体験者の驚くべき実例を元に心と体の関係を科学的に解き明かしたドキュメンタリーでした。

これを制作したのはシャノン・ハーヴェイ(Shannon Harvey)というジャーナリストでした。彼女は24歳の時に自己免疫疾患と診断されました。これは免疫系が過剰に反応し、敵ではない正常細胞を自ら攻撃する症状です。その結果、筋肉と関節は炎症を起こし、医者からこのまま行くと内蔵機能不全で死亡するか、たとえ生き延びても一生車イスの生活を送ることになるだろうと言われました。

その後、彼女は数年にわたり「治癒の道」を模索し、その過程で、心と体の関係を学びました。そして彼女は病気を克服したその経験を元に2014年このドキュメンタリー映画を完成させたのです。

彼女が「治癒の道」の途中で数々の食事(栄養)、運動、代替療法などに出会いました。しかしそれでも病気はよくなりませんでした。彼女はあることに気付いていました。それはストレスを感じると症状が悪化することでした。そして新しい医学分野である心身相関医学にその治癒の答えを探そうとしたのです。

心を変えないと健康は変わらない

Shannon Harvey, a film director, Australia

肉体をケアーしても心のケアーを怠れば病気になる

私がこの映画の中で特に注目したのはあるスポーツ科学者の事例でした。これは心と体が両方健康でなかれば健康ではないことを証明した事例です。

オーストラリア・カソリック大学のスポーツ科学の講師であるクレイグ・ダンカン博士はトレーニング中に心臓発作を起こし病院に救急搬送されました。幸いにも大きな後遺症もなく社会復帰しています。彼はスポーツ科学を専門とし、オーストラリアのエリートアスリートやサッカーチームを指導してきた専門家でした。

人一倍、スポーツと健康の知見と経験を持ち、自らも意識が高く、ヴェジタリアン(菜食者)でトレーニングを欠かさなかった彼の肉体のデータはすべて正常値で健康そのものでした。そのバイタルデータには心臓疾患を起こすリスク要因など一切ありませんでした。

しかしある日、ランニングをしていると軽い胸の痛みを覚えました。そしてそれから二日目に心臓発作を起こし病院へ救急搬送されました。ちなみに心疾患の家族歴もまったくありませんでした。

彼はその当時、仕事と家庭において心のストレスを抱えていました。それはかなり長く続いていました。今に思えばその時の私の生活はまるで1時間に100万マイルを走るような勢いで時間に追われていました。

 「私はとても欲求不満でハッピーではありませんでした。睡眠、あるいはよく眠ることにもがいていました。見かけは健康そのものでした。でも.....すべてが極端になっていました。」

一度、死の淵を体験し、彼は完全に今までの生活を変えました。現在の彼は、その仕事を精神的ストレスの少ない学術的な業務に転職(あるいは配置転換)し、またシーズン勝敗のプレッシャーを感じながらコーチしていたサッカーチームを相談役として一線より退きました。そして日々の心身健康のために瞑想と祈りを生活の一部に加えました。彼は次のように断言しています。

心が健康でない限り、肉体がどんなに健康でも、あなたは健康ではありません。

Dr. Crag Duncan, recognized sport scientist, Australia

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