■ ストレスは成長のための特効薬?

 【ストレス反応の発見】

生理学者のW.キャノン(1871-1945, U.S.A)は、ほえる犬を前にして緊張状態にある猫の血中に、アドレナリンという交感神経系の神経伝達物質が多く存在することを発見しました。これが身体のストレス反応と恒常性(*1)の発見につながりました。そしてストレス反応をFight or Flight(闘争か逃走)、つまり「戦うか、逃げるか」という反応であると発表しました。

(*1) 自律神経系の支配下にあって生命を維持するために自動的、つまり意識することなしに行われている生理的機能のこと。例えば血圧、心拍、消化など。


 【自然界は戦いの連続】 

野生動物の世界は捕食の連鎖、弱肉強食の世界です。食うか食われるか、戦うか逃げるかです。およそ人間の世界も歴史が証明するように領地を巡る捕食の連鎖、戦うか逃げるかでした。2012年の現在もシリアでは戦闘が続いていますが、同時にロンドンではオリンピックの戦いが続いています。

同じ戦いでも一方は権力を掌握する闘争、ルールなしの人殺しの戦いです。他方は栄光のメダルを手に入れる戦い、ルールありの心技体の戦いです。人は世界が緊張のとき戦闘し、平和なときには競技し、まるで戦うことが本能のような生物です。

 【ストレスの見方を変えると】 

どちらの戦いもそれ自体は当事者にとってストレス反応そのものです。しかしスポーツでも仕事でも自らにストレスを科し、多くの犠牲を払ってまで戦いを挑むのは何故なのでしょう?きっとその戦いに勝利することで得られる至福感はどんな犠牲を払ってでも得たい宝物なのだと思います。こう考えるとストレスは自分を成長させるための特効薬かもしれません。

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