ゲッティ社とその代理人から通知書が届いたら

ある日突然ゲッティ社とその代理人の法律事務所から配達証明で通知書が届く

ある日、九帆堂法律事務所(東京都中央区日本橋)から配達証明で送られてくる封書。開封してみると通知書なるものが添付書類とともに同封されている。同じような体験をした皆さんも多いのではないかと思います。

Google でゲッティ社、あるいは九帆堂法律事務所などのキーワードで検索してみるとゲッティ社のサイトではなく、この記事に関するページやサイトが出るわ出るわ。検索キーワードの中にはゲッティ詐欺など以下のようなページがヒットします。

通知書の内容とは

これがその通知書です。

通知書を読んでみると以下のような論点が書かれています。

通知書の論点

1. ゲッティ社とは社が著作権を有したデジタルメディア(静止画・動画)などを販売している会社であること。

2. ゲッティ社が行っている定時検索によって貴社が運営しているサイト上にゲッティ社が付与するライセンスを確認できない画像1枚が検索された。

3. 貴社のその画像の使用行為は著作権法に違反していることの法律的根拠

4. ゲッティ社は貴社に対して社内規定にもとづき使用料と損害金等を請求する

5. ゲッティ社はその請求額を査定するために通知書を受け取り後14日以内に電話、あるいは書面による返答するよう要請

6. ゲッティ社と九帆堂法律事務所の委任関係の有無を確認できるページURL

通知書に対する答弁

まず私はこの通知書を通読しました。そしていくつかの疑問点と非合理な点を論点化しました。そしてそれらの疑問や非合理点を挙げて先方にそれに対して文面(文書)で回答するよう文面を配達証明で送りました。しかしながら彼らからその返答はないままです。

一般の人がある日、法律事務所から配達証明が届いたらびっくりして落ち着かないことと思います。通知書の内容の指摘に少しでも思い当たる節がある場合には余計に気が気ではない精神的ストレスを抱えると思います。そして少しでも早くそのストレスから逃れたいと思うでしょう。

ある人はすぐに電話をかけて先方が一歩的に主張している著作権法違反等の根拠を信じてしまうでしょう。さらには先方が一方的に積算する損害金の請求を信じてしまうでしょう。さらにこの問題の精神的ストレスから早く逃れたいために、あるいはそれ以降の法律的なややこしいことにまきこまれたくないため、「お金で解決できるなら支払って解決しよう」と思うかもしれません。正にこれが先方が考えているシナリオではないでしょうか。

私はこの通知書の非合理な点を次のように論点化しました。

通知書の非合理な点

1. デジタル画像の著作権を侵害していると断定する物的証拠がアナログ(印刷)であるはずがない。

2. ゲッティ社がライセンスを所有しているデジタル画像を無断で使用していると断定する科学的根拠がまったく提示されていない。

デジタル画像の著作権を侵害していると断定する物的証拠がアナログ(印刷)であるはずがない。

通知書には当方が運営するサイトのあるページ内にゲッティ社が付与するライセンスを確認できないとする画像(1枚)が検索されたとして、2枚の添付書類を同封しています。

  • ゲッティ社のセールス・サイトで検索したその画像のページのA4サイズの印刷物1枚
  • 当方が運営するサイトのあるページでその画像に似たバナーが見られるページの印刷物1枚

つまりゲッティ社はこの2つの印刷物を物的証拠として提示することで、この二つの画像が同じものであると断定し、さらにはそれをもとに著作権侵害だとも断定していることになります。彼らの論点の非合理な点は次のようになります。

二つのデジタル画像が同じものであることを証明するにはデジタルデータをもって証拠とする方法しかありません。デジタル画像にはどんなに加工、あるいは切り取った一部であってもデジタル配列記号が記録されています。

これを*符号化(エンコードとデコード)と言います。コンピュータはこのデジタルデータを識別し、それぞれの画像形式(Jpeg, Png, tiff)に圧縮して変換し、サイトのページに埋め込んだり、ダウンロードを可能にします。これをエンコードと呼びます。ダウンロードしたデータを利用する場合はデータを復元変換しなければなりません。これをデコードと呼びます。

このようにあるデジタル画像がコンピュータで表示、編集できるのはコンピュータでしか識別できない符号化(エンコードとデコード)技術が世界インターネット技術標準化機構(W3C)で仕様が規定されているからです。

彼らが何とデジタル画像の掲載されているページをわざわざ印刷、つまりアナログ変換して紙としてそれを証拠として二つが同じ画像であると主張しています。明らかに肉眼で見て似ているから同じであると主張しているのです。これは二つのデジタルが画像が同じであるかどうかを識別する方法としては到底あり得ないことです。従ってそれを証明するため科学的根拠の提出を求めます。

ゲッティ社がライセンスを所有しているデジタル画像を無断で使用していると断定する科学的根拠がまったく提示されていない

ゲッティ社は定期的に世界中のウエブサイトの画像を検索し,ウエブページに掲載の画像がゲッティ社の著作権を有する画像かどうかを自動、あるいは手動で調査、分析、識別をしている主旨の記述をしています。しかしそれを科学的に証明する物的証拠をまったく明らかにしていません。

しそのデジタル画像がライセンス購入していない第三者によってコピーされ再加工されて他のウエブページに掲載されたとします。そしてこのコピーされたデジタル画像がまた別の第三者にコピーされ加工されてウエブページに掲載されたとします。これはデジタル社会で日々実際に起こっている事実です。

ゲッティ社はこのようにある特定のデジタル画像に対してこのような拡散のプロセスをすべてを追跡、分析、識別することを可能にするにはこのような科学的技術とシステムを運用されている必要があります。

つまりそのデジタル画像がゲッティ社から正式に購入したユーザが再利用しているページであるのか、あるいは別の第三者によってコピーされ再利用されているページなのかを正確に特定する科学的技術とシステムが必要です。

加えてゲッティ社は正規ライセンスのデジタル画像からコピーされた第何世代までを著作権の侵害と認定するのかという業界のコンセンサス、あるいはインターネット技術標準化機構(W3C)などのコンセンサスに基づいたゲッティ社の規約が明記されている必要があります。

少なくとも追跡、分析、識別システムは人間の五感では不可能です。当方が本件画像を掲載したとするサイトのページを一枚印刷し、それを物的証拠として、本件画像がゲッティ社の著作権を侵害していることを証明する科学的手法であるとは言えません。従ってそれを証明するため科学的根拠の提出を求めます。

結論

私は先方(ゲッティ社とその代理人)に対して以上のような通知書の非合理な点を指摘し、著作権を侵害していると断定する科学的証拠を提示して答弁書にて回答するように文書を送っております。しかしながらいまだ先方より何も回答は受け取っておりません。

もし皆さんの中で現在、ゲッティ社とその代理人(九帆堂法律事務所)と称する通知書を受け取って悩んでいる方や、あるはそのような友人、知人を知っているという方がおられましたら、本ページが何らかの参考になれば幸いです。

ちなみに当方が運営管理するサイトで使用するデジタル画像のデータは主にPIXTAから購入しております。どうぞ皆さんも著作権侵害などと指摘されないよう自己管理と自己防衛に努めて下さい。そして通知書が届いてもあわてず、さわがず、内容をよく読み、その論点を理解し、疑問点や非合理点を探し、あれば決して電話などはせず、回答を求める答弁書を提出なさることをお勧めいたします。

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