ヴァータ・シンドローム Part 2

 ■ ヴァータ・シンドローム part 2  Vata Syndrom part 2

【ヴァータ・シンドローム(Vata Syndrom)】
 
前回、「あなたはヴァータ・シンドロームかも」でヴァータ症候群について寄稿しました。多くの方に関心を持ってお読みいただきました。今回はその第2弾(part 2)です。
アーユルヴェーダ生理学にはドーシャ理論という、いわゆる体質理論がその基本になっています。ヴァータとはこの身体の生理機能を構成している一つの働きになります。ヴァータはこの生理機能の中で異化作用という役割を担っています。つまり食物の中で吸収すべきものと排泄すべきものを分ける働きとなります。
 
アーユルヴェーダ病理学では病気の多くはこのヴァータの増加が原因による疾患であると言っています。症状を改善するためには薬の服用ではなく、生活習慣の中でヴァータを増やしている原因を探し、ヴァータを増やさない生活に変えることが本当の処方箋となります。

【時期とヴァータ・シンドローム(Vata and time)】

 
アーユルヴェーダ生理学のドーシャ理論は時間や環境によって身体が直接影響を受けていると教えています。例えば時間と身体の影響を見てみると面白いことがわかります。人生は年齢とともに大きく幼年期、青年期、壮年期、老年期と分けられます。3つのドーシャはそれぞれ幼年期をカパ期、青年期をカパ・ピッタ期、壮年(中年)期をピッタ・ヴァータ期、そして老年期をヴァータ期としています。
 
前回の投稿「中年期はヴァータ疾患に気をつけよう」で書きましたように、パーキンソン病は感情的な興奮(過剰なピッタ)と慢性的な精神的なストレス(悪化したヴァータ)が神経系を阻害するすることで発生するとアーユルヴェーダ病理学は説明しています。パーキンソン病はかつては老年期(60歳以降)に発症する例が多かったのですが、現在は壮年(40歳以降)で発症する人が多くなり若年化していることが知られています。正に年齢区分とドーシャ区分が一致しているのがわかります。
また不眠を訴える人の多くは「夜中に必ず目が覚める、あるいは目が覚めたら寝付けない」などとよく耳にします。しかし現在医学は症状と時間の因果関係を示す理論はありませんが、アーユルヴェーダにはその理論的裏付けがあるのです。
 
例えば23時に就寝して7時間寝る人、つまり6時に起床する人がいるとします。決まって2時から3時ごろにはトイレに起きたり、あるいはふと目覚めたりすることがあります。実は24時間の中で2時から6時の間はヴァータの時間なのです。このように時間区分とドーシャ区分が一致しているのがわかります。ちなみに6時から10時まではカパの時間、また10時から2時までがピッタの時間となります。
 
3ドーシャの時間区分 - The time for 3 Doshas
3ドーシャの時間区分 – The time frame for 3 Doshas
 
睡眠サイクルも排尿、あるいは尿意も自律神経がコントロールしています。就寝中は特に排尿のために起床しないように腎臓が尿の濃度を上げたり、膀胱の働きなどをコントロールしています。これらはヴァータがコントロールしているとも言えます。なのでヴァータの働きが乱れている人はヴァータがコントロールしている機能や器官がヴァータが支配している時間にその乱れが現象化、あるいは発症しやすくなります。これらは時間と体内リズムがシンクロしているからです。
 
【季節とヴァータ・シンドローム(Vata and Season)】
 
次は季節と身体の影響です。1年は12ヶ月、日本は4つの季節があります。3つのドーシャはそれぞれ春をカパ期、雨季を夏をカパ・ヴァータ期、夏をピッタ期、秋をピッタ・ヴァータ期、そして冬をヴァータ・カパ期としています。最近では異常気象が当たり前のような訳の分からない天候が多いですが….。
 
晩夏から初秋にかけてはちょうどピッタ・ヴァータ期です。なのでその影響は身体に及びます。例えば肌荒れや皮膚に炎症やかゆみ、あるいは乾燥が強くなったと感じたり、基礎化粧品の乗りが悪くなったりするかもしれません。あるいは生理不順が強くなったり、便秘がひどくなったり、または特に下腹部に脂肪がたまりぽっこりお腹になるかもしれません。これらは季節と体内ホルモンがシンクロしているからです。
 
【ヴァータ・シンドロームを予防・緩和する(Balancing Vata)】
 
ヴァータ・シンドロームを予防・緩和するにはヴァータの特性を理解してその性質と反対のことを心がけることです。例えばヴァータは冷たい、不規則、乾燥などの特徴がありますので、ヴェータを悪化させないためには温かい食事や飲み物に切り替える、生活のリズムを整える、身体を冷やないなどです。
 
例えば便秘傾向にある人の殆どは間違ったダイエットや食習慣などが原因として考えられます。また排便リズムを無視してきた人に多いはずです。つまり尿意、便意、睡眠などはすべて自然のリズムです。あるいは母なる自然の声と言ってよいでしょう。その声を自分の都合で無視してきたため、母なる自然の方があなたの声に耳をかさなくなった結果が便秘症状と言えるでしょう。

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