現代に蘇ったアーユルヴェーダ

ケララ州はインドの南西に位置する細長い州です。天高く伸びる椰子の木の群生とその他の木々のジャングルと田園風景が特徴的な自然豊かな大地です。またここはアーユルヴェーダ誕生の地とも言われている場所です。実際に100年以上の歴史のあるアーユルヴェーダの総合施設の誕生の場所でもあります。
皆さんご存知のようにインドは大変歴史の長い国の一つです。特に自然科学や精神文化における豊富さは世界有数と言えます。インドにはヴェーダという自然科学の中で人間の幸福と健康についての学問が多く体系化されてきました。その一つがアーユルヴェーダ、ヨーガ、ジョーティシュ(インド占星術)などです。


特にアーユルヴェーダは民間伝承医学として国民の健康を支えてきましたが、ご存知のとおりイギリスによるインド統治が始まると同時に西洋医学にとって変わりました。アーユルヴェーダはその神秘性ゆえにイギリス人には理解されず、現地人の土着の医学として強制的に廃止され長く弾圧を受けました。
しかしながら歴史上には何時の時代でもどこの世界にも、自分の生涯を何か大切なものを守ることに捧げる偉大な人物が忽然と現れるものです。アーユルヴェーダにおいてもそうでした。ケララに生まれたある医者がアーユルヴェーダという偉大な医学の火を次世代に残すようために立ち上がりました。その当時、アーユルヴェーダは製薬技術が原始的でその都度ジャングルから薬草を集めて来て製薬化するという時代でした。
彼は他の医者とは違い、西洋医学の優れたところに着目し、それを学び、特に製薬においては工業化によって製品化というアーユルヴェーダの近代化、標準化を成し遂げた偉大な医者です。想像しますに当時、西洋医学の技術や製薬の即効性には驚きとともに急速にインド社会に受け入れられたことだと想像します。ピル一つでまるで魔法のように病気の症状が消えていくのですから。こうして伝統医学であったアーユルヴェーダはインド人社会からも次第に受け入れられなくなっていったのでした。
こうして一時は消えかけたアーユルヴェーダは現在、世界から多くの慢性病の人々がインドに医療旅行をするまでになりました。その主な理由はアーユルヴェーダが多くの慢性病に対して根本治療を可能にしているからです。慢性病の多くは生活習慣病です。つまり生活の中に病気の原因があるということです。その原因の中で特に深刻なのが薬も含めた多くの化学物質の摂取による毒素化と指摘しています。体内に蓄積された化学物質は容易に分解されず排出されません。アーユルヴェーダはそれらの毒素を無毒化して自然治癒力を取り戻す世界でも優れた医学なのです。

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