アーユルヴェーダによる老化と若返りの原理

アーユルヴェーダとは浄化の医学と言ってもいいでしょう。浄化こそが予防と治療の原則と言えます。そのことが医学書の中に短いスローカ(文章)として次のように記述されています。
「汚れた布はきれいに染まらない。きれいに染めるためにはまず汚れを落とさなければならない」
例えば、白いハンカチのところどころに食べ物の汁などの茶色い汚れがついているとします。このまま好きな色に染めようとしても、その汚れた部分だけはその新しい色に染まることはありません。白いハンカチを鮮やかな黄色に染めるためにはまず汚れを落とさなければならないということなのです。


【生活があるところには必ず汚れが生じる】
私たちの生活場所を見渡してみれば台所、風呂、トイレ、あるいは部屋は必ず散らかり、ごみが出て、汚れが溜まります。同じように身体もよく使うところは傷み、使わないところは錆びます。酸素を取り入れて生命を維持している生物は、使われた酸素をによって生き、使われなかった酸素によって組織が傷つけられ、酸化(錆び)て行きます。
また生物は食物によって生き、食物によって死を早めるとも言えます。アーユルヴェーダでは食べ物が十分に消化され、排泄されることが健康維持の基本であると考えます。食べ物が十分に消化されなければ、まず未消化物が組織に溜まります。それらは身体の脂肪分と合体して粘りの強い老廃物となって次第に組織や血管に溜まって行き、血液や排泄器官を閉塞し、老廃物は毒素化して、組織を病態化、老化、酸化、錆び化して行くと考えています。
これは現代医学の言葉を借りれば、血中コレステロールのようなものです。血中のタンパク質は使われなかった酸素が変性して出来るいわゆる活性酸素と結合して粘着性を強め、血管の壁を閉塞していくことが証明されています。
【アーユルヴェーダの治療原則(身体の汚れを洗濯する方法)】
アーユルヴェーダの治療原則は、組織に溜まった汚れ(老廃物、毒素)を落とす、つまり排泄する浄化のプロセスなのです。ハンカチの汚れは洗剤で洗えば落ちますが、身体はそういう訳には行きません。そこで先人たちは身体の汚れを落とすのにそれを落とす洗剤と洗濯方法を発見しました。その洗剤には薬用植物と植物油で作った酸化しにくい薬用油、そして洗濯方法には人の手によるマッサージ法と温めた油に部位を浸す物理療法を開発したのです。
組織に蓄積された汚れ(老廃物、毒素)は熱と薬用油によって次第に溶けて剥離して行きます。組織から剥離された汚れは出口に集まっていきます。出口とはつまり、便、尿、汗を生成する臓器へ集まっては排泄されていきます。便の場合には、薬草油と煎じ液を交互に3回繰り返す浣腸によってほぼ排泄することができます。これがアーユルヴェーダによる身体の汚れを洗濯する方法です。
次に染める方法です。つまり正しい健康な生活習慣に身体を染めるのです。人は身体の毒素が排泄されると、身体も気持ちも軽く心地よく感じるようになります。そのようなときには身体を汚すストレスも感情も、ジャンクな食事も、喫煙も飲酒も、自然に敬遠するようになります。そのような身体を汚すことへの欲求が沸かなくなります。このような心身の状態をしばらく続けることによって正しい健康な生活習慣に身体を染めることが出来ます。
アーユルヴェーダの治療は7日間(1週間)が一単位です。私の場合は3週間の治療を受けましたが、つまり最初の1週間は組織に沈着した身体の汚れ(老廃物、毒素)を排泄器官に集めるプロセス。2週間目は身体の汚れ(老廃物、毒素)を一気に排泄するプロセス。そして最後の3週間目は新しい色、つまり健康な生活習慣に身体を染めるプロセスという訳なのです。
最後に私たちはアーユルヴェーダの専門病院を後にしたら、それぞれの日常に再び戻らなければなりません。しかし以前と同じような間違った生活習慣を繰り返すのではなく、心身ともにリフレッシュしたその新感覚を頼りに、身体を汚さない、身体の正しい要求に耳を傾ける、ストレスに対して今までとは違う反応をする、など知性に目覚めた生活を再スタートさせていただきたいと思います。
● アーユルヴェーダ治療についてはこちらでもご覧いただけます
アーユルヴェーダ紀行?(‘2005)

(医学情報満載のノンフィクション・アーユルヴェーダ紀行)

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